『銀ちゃんの恋』は水美舞斗の代表作に!?感想をまとめました。

銀ちゃんの恋 感想

銀ちゃんの恋~銀ちゃん、本日も反省の色なし~』がKAAT(神奈川芸術劇場)で8月16日にスタートしました!(24日がKAAT千秋楽でした)

私が推しに推しまくっている花組の水美舞斗さん(通称;マイティー)の待望の主演作です!

スカイステージで初めて観た初主演の『セニョールクルゼイロ』のマイティーにくぎ付けとなり、昨年2020年スペシャルライブの『Aqua Bella!!』も輝きまくっていて、とても思い入れのあるジェンヌのひとりです。

ファンの方ならご存知、黄金世代の95期生でもあり、今や花組になくてはならない唯一無二の存在こそ、今回の作品の主役、水美舞斗です。

そして、正式に花組2番手に昇格も決めたマイティーの姿、『銀ちゃんの恋』をしっかり見届けてきました!

当記事は他のどのサイトよりも内容重視で、ステキな情報をお届けします!

『銀ちゃんの恋』の水美舞斗がかっこよすぎる!

『銀ちゃんの恋』のチラシにもみる、この絶妙にダサいスタイル

白いハットに大きな将棋柄のネクタイ。

さらに、右手にはピンクのハエたたき。

こちらを見つめるキリッとした目つきや座っている姿もまた秀逸です。

どんなシーンでハエたたきをつかうのか、、、??シーンがまったく想像できません。情報量多すぎです!

 

 

でもなぜか、マイティーが着こなすと、とてもカッコよく見える。。。

 

さてさて、チラシのビジュアルについてはこのくらいにしておきましょう。

まずは、『銀ちゃんの恋』についてのおさらいからです。

本作品はつかこうへい作の『蒲田行進曲』を原作にした作品で、1982年には「直木賞」、1983年には映画版で「日本アカデミー最優秀脚本賞」を受賞した戯曲です。

 

原作は80年代なので、大半のジェンヌにとっては生前の作品ですし、長年愛されている作品です。

宝塚歌劇でも今まで3回の公演がありました。

  1. 1996年 月組 (バウ)久世星佳(トップ)が初主演
  2. 2008年 花組(青年館)大空祐飛が主演
  3. 2010年 宙組(全国ツアー)大空祐飛(トップ)が再演

 

先日の18日の公演では、2代目の主役3人(大空祐飛・野々すみ花・花形ひかる)が観劇されたとのことでした。

 

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『銀ちゃんの恋』のあらすじについて

早速、銀ちゃんの恋のあらすじについてです。

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舞台は京都の撮影所。映画『新選組』の撮影シーンから話がスタートします。

『新選組』の撮影で主役の土方歳三役に扮する俳優・倉岡銀四朗水美舞斗:95期・研13は自分が絶対主役でないと気が済まない性格の持ち主でした。

感情の起伏も激しく、恋人の小夏星空美咲:105期・研3や銀ちゃんを慕っている大部屋俳優のヤス飛龍つかさ:98期・研10が振り回されることも日常茶飯事です。

知りたいキーワード
大部屋俳優とは、俳優の中でも位置づけの低い役者をいい、大人数で一つの楽屋を使用していたことから、大部屋に由来しています。俳優として一本立ちを目指す若い役者が一般的で、この作中では銀ちゃんが引き連れている舎弟4人=銀ちゃんお抱えの大部屋俳優です。

自称大スターだと思い込んでいる銀ちゃんは、スキャンダルを恐れて自分の子を妊娠した小夏をヤスと結婚させようと、、、話が進んでいきます。

銀ちゃんのことが好きな小夏は、さえない大部屋俳優のヤスと結婚させられそうでたまりません。

また、銀ちゃんのことが大好きで昔から小夏のファンでもあったヤスは、お人好しな性格もかたって、小夏の出産費用を稼ぐために危険なスタントの仕事を請け負い奮闘します。

そして、小夏はそんな心優しいヤスに徐々に惹かれ心が動いていきます

その一方で俳優業に勤しむ銀ちゃんは、不運にもダメダメの連続でまさに負のスパイラル。どんどん銀ちゃんのシーンがカットされていきます。

『新選組』のクライマックスは、池田屋を襲撃し階段の上から大部屋役者を切り落とす階段落ちが一番の見せ所ですが、、、

階段から落とされる役者は、軽症で半身不随、重傷で死亡のリスクと引き換えに、その瞬間だけスターとなれるのがこの映画のウリ。

しかし、危険という理由でカットが決まってしまいました。

そんな時に、鳴かず飛ばずの銀ちゃんを励まそうと、またもや大部屋俳優のヤスがその大役をかって出ることに、、、

と話はエンディングへと進んでいきます。

 

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『銀ちゃんの恋』の見所ポイント

私も宝塚の『銀ちゃんの恋』は見たことがなかったので、ある程度予習をしました。

予習をすると話の大筋が事前に分かり、各主要メンバー・組子の所作にも集中でき、十二分に楽しめることができます。

そして、特に主要キャストの心境について姿や立ち居振る舞いをじっくり観る余裕ができるのでおススメです!

まだ観劇していない方には、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

さてさて、話を戻しましょう。

私が感じた銀ちゃんの恋の見どころポイントを3つ挙げました。

  1. 水美舞斗の主演
  2. 主要キャストの心境
  3. 宝塚版の銀ちゃんの恋

まずは、美舞斗の主演作を十分に楽しむことです。

2018年5月『セニョールクルゼイロ』ぶりの単独主演作(東上初主演作🎉)なので、マイティーがトップになる時の姿を想像して、どんな主役を演じてくれるのか?が一番気になりました。(多くのマイティーファン同じ想いではないでしょうか?)

劇場パンフレットにはこの作品は台詞劇とあり、、、

周りの気配を察知する繊細な水美舞斗の倉岡銀四郎、きっと心底にある「孤独」と映画バカの「情熱」を表現してくれると思った。(潤色・演出:石田昌也先生)

つまり、、、マイティー得意のキレッキレで躍動するダンスや、肉体美が活かされた立ち居振る舞いは封印されたも同然ということ。

今まで着実に培ってきた経験や技術を披露するのがこの作品で、銀ちゃんの恋=セリフ劇だということです。

次に、要キャスト3人の舞台役の心境が気になります。

銀ちゃん、小夏、ヤスのそれぞれの立場、どのような性格か?そして、その性格や個性が話の流れに沿ってどう移ろっていくか?がポイントですので抑えておきたいです。

最後に、塚バージョンの銀ちゃんの恋がほかの銀ちゃん(ドラマや映画など)とどう異なっているか?

舞台セットも含め、宝塚風にアレンジされた話の流れを堪能したいと思います。

そのためにもドラマ版の『銀ちゃんの恋』も参考に鑑賞しました。(出演者:沖雅也、大原麗子、柄本明)

 

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『銀ちゃんの恋』の観劇感想

銀ちゃんの恋は第一幕1時間20分で幕間25分をはさんで、第二幕55分の公演時間でした。

KAATは、こじんまりとした舞台ホールでコンパクトな印象でした。

ツイッターでも既出の情報ですが、ラストのフィナーレはなくサクッと終わり。

それでも、あっという間、、、いい意味で「えーもう終わり??」感が募りました。それぐらい胸が幸せな感覚でした。

マイティーをひいき目にみた感想に感じるかもしれませんが、どうぞお付き合いください。

 

 

『銀ちゃんの恋』の水美舞斗の魅力は?

開演のアナウンスから早々、役に入ったマイティ―の音頭で始まりました。

三代目倉丘銀四郎の名代を賜りやした、水美舞斗です。

このフレーズで、すでに心がマイティーで染められました。劇場も盛大な拍手の渦に包まれ、早速スタート。

マイティーのカッコよさは、決めた時のきりっとしたセクシーな顔ですね。

名は、銀四郎~(ぎんしろぉ~)」で初登場!

その後、映画「新選組」の撮影シーンから始まり、マイティーの殺陣(ふりがなは、たて)が速いのなんの!(殺陣は宝塚一速いとのことです

前作のアウグストゥスでも、アグリッパ役で剣での殺陣は観られましたが、安心して上手な姿が観られました。

マイティーの最大の特徴である筋肉は、殺陣でも生かされていて迫力満点でした。

そして、切られる側がしっかりキマっているからこそ、殺陣が成立していることも忘れてはいけません。さすが、花組生です。

マイティーが殺陣でキメるシーンに、斬られる側には大部屋俳優のヤス。

そのヤスが撮影中のカメラに大きく映り込んでしまい主役の銀ちゃんが隠れてしまった時のあの顔ったらなんの、笑。

コミカルにこなすマイティーの銀ちゃんがスタートする瞬間でした。

撮影現場のシーンをリアルタイムのカメラにつないで、背景に2つのスクリーンに映し出すといったセットがとても新鮮でした。(実際に観てもらうと、その面白さがお分かりいただけると思います。)

他にも、、、銀ちゃんの性格や面白さがにじみ出るシーンが満載です。

 

  • 主役なのに撮影シーンが少ないことを嘆く
  • バーで誰一人サインを頼みに来ない
  • 小夏をヤスと結婚させようとする頼み込むのワンシーン
  • 汚いヤス部屋で布団を窓から捨てる→その後、雨が降る
  • 孤独のの字が浮かび上がった後ろ姿

 

とにかく、笑いのシーンはとてつもなく豊富にあります。

たくさん嘆いたり、ギャグを決めたりするマイティーが客席に笑いを届けてくれます。

こんなにもマイティーが笑わせてくれるのかと思う程、ふんだんにお笑い要素がちりばめられています。

ナンバーや踊り続けるシーンは少なめでしたが、『主役は俺だ!』のマイティーのナンバーでは、マイティーのキレのあるターンやキメ顔、メリハリのある立ち居振る舞いも観られました。

これはスターの証ですし、とてもかっこよかったです。

マイティーとヤスはとにかくセリフも多く、一息では話せないくらい長いのによく噛まないで流ちょうに話しているなと、ただただスゴイの一言でした。

一番心に残ったシーンは、階段落ちをしたヤスに銀ちゃんが掛ける言葉「ヤス、上がってこい」で涙腺崩壊しました。

やっぱり師弟愛というのは、美しいものです。

このシーンだけでも何度も見直したいので、ぜひ円盤の販売をお願いしたいと思います。

銀ちゃんは、『マイティーしか務まらないんじゃないか??』というくらい、はまりにはまっています。

きっとマイティーの代表作になること間違いなしです。

 

主要キャストの心境について

ここでは銀ちゃん、小夏、ヤスの主要キャスト3人の心境について、より詳しくまとめました。

ナンバーでも、3人の心(悲しい日々)と言うタイトルで歌があります。

3人の心境を自分なりに感じたよう記しました。

銀ちゃんの心境

一度売れたことのある銀ちゃんは、自分のキャリア・目指す俳優像・ダンディズムをめざし、俳優として活躍する夢を選び、小夏と一緒にいる生活を選べなかった。(主役は俺だ!のナンバーがその心境をもろに表しています)

舞台人としての苦悩将来への望みが銀ちゃんを奮い立たせている一方で、銀ちゃんも孤独を感じるている光と影が十分に表現されていました。

売れる俳優になるために、犠牲や孤独が代償となってしまっている

小夏の心境

元女優として売れた過去の実績がありながらも、年齢を重ねたことや、子どもを身ごもったことから女優→一人の女としての在りたい姿が繊細に表現されていました。

自身も銀ちゃんと同じ役者として、銀ちゃんが売れたい気持ちに共感し応援しつつ、銀ちゃんと一緒になりたい自分の幸せも願っている葛藤が小夏の心境です。

そして、熊本のヤスのお母さん(京三紗)から、「あのこ(ヤス)ば裏切るこたーまねはせんごつしてねっ!」と言われたら、人優しい小夏は裏切れないと思いさらに追い込まれていく様子が分かります。

女優→母親になろうとする心境の変化

ヤスの心境

銀ちゃんに認めてもらい大部屋俳優となったヤスは、銀ちゃんが好きで好きでどうしようもない

そんな銀ちゃんのためなら、悩みを解決してあげるのが舎弟の役目であり、自身の存在の意義だとも感じている。それは、銀ちゃんがいないと何のために俳優をやっているのか??見出せないほど、銀ちゃんにほれ込んでいるのがヤスの特徴です。

自分の存在は銀ちゃんがいてくれたからという義理

 

3人の心境が「俳優」というキーワードでつながりつつ、さらに3人のそれぞれの心境が際立たせてあります。

売れたい銀ちゃんに、売れてほしい、活躍してほしいと願う小夏とヤス。

この3人のそれぞれの心境がセリフや所作に表れていると思います。

なんでこんな銀ちゃんのために、小夏とヤスが犠牲になるんだろう??ってずーっと考えてみましたが、、、

これはきっと犠牲ではなく、2人が本当に銀ちゃんのことを大好きなんだな~という結論になりました。

俳優を志している方にはとても共感できそうなテーマですし、そんな世界を垣間見えた感じがしました。

宝塚版の『銀ちゃんの恋』について

宝塚版の『銀ちゃんの恋』以外にも、ドラマだったり映画版の『銀ちゃんの恋』があり、非常に人気がある作品です。

特に私が予習したドラマ版の『銀ちゃんの恋』と比べると、、、宝塚版は、、

  • 銀ちゃん、いいヤツにみえる
  • ヤス、もっといいヤツ
  • 小夏、若い、若すぎるっ!

ドラマ版の『銀ちゃんの恋』は、みんなのキャラが濃すぎです。

詳しく、比較してみました。

銀ちゃん(マイティー)と銀ちゃん(沖雅也)

沖雅也さん演じる銀ちゃんは、本当にろくでなし中のろくでなし。もうろくでなし感満載です。それがドラマ版の銀ちゃんの特徴をこれでもか!と表現してあり、浮き彫りにしています。

指輪を小夏に付けるシーンでは、外そうと小夏に対して「とるなー!」の連呼(泣きそうな声)で、机をひっくり返す始末。。。

それに比べ、マイティーの銀ちゃんは、ろくでなしなんだけど、どこか憎めない哀愁みたいなものがありました。

笑いのシーンがたくさんあるので、ろくでなし感が薄められているような感覚でしょうか??笑

ヤス(つかさ)とヤス(柄本明)

柄本明さん演じるヤスも銀ちゃんのことが大好きなところは変わりません。

小夏の出産費用をためるために、危険なスタントをしても「これが、これなもんですから(お腹が多きいジェスチャー)」と優しい笑顔を見せます。

特に、小夏とヤスの家族間で揉め事が起きたシーンは圧巻でした。

柄本明さんの若かりし頃も、心がこもった演技を感じました。(口調にも熱が入っています)

それからすると、宝塚版のヤスはとにかく優しくて、優しくて、優しくて、、、、銀ちゃん想いな性格がにじみ出ています。

つかさの歌も演技も上手なので、これからの活躍にも期待したいです。(つかさのファンが激増したと思います!)

ちなみに、原作のヤスは階段落ちの後にシーンが変わって、病室では出産後の小夏と銀ちゃんと再会してます!(つまり、死んでません!)

小夏(美咲ちゃん)と小夏(大原麗子)

この二人の姿は、大きく違いました

大原麗子さん演じる小夏は、完全に女優業に終止符を打った元女優の姿が特徴的。

女優をあきらめて、母親として人生を進もうと決心した感じがとても落ち着きがありました。

一方、星空美咲ちゃんは、時が進むにつれ(お腹が大きくなるにつれ)お母さんらしい格好へと移り変わっていく姿と演技がとても上手でした。(歌も踊りも上手だったので、研3とは思えません)

大人っぽさもあり花組の娘役の中でも適任だったと思います。

そして、あえて今後の期待を込めて1点及第点を挙げるとすれば、美咲ちゃんの小夏は若すぎた印象が強かったです。

小夏は銀ちゃんと同じくらいの年齢設定(若くても30代後半ぐらい)なので、もう少し落ち着いた低いトーンが良かったかもしれません。

叫び声が、『キーン』としてしまったので、どうしても若く感じてしまいました。

赤いワンピース、サングラスをつけ、ヤスに家へ来たシーンでは、小夏の口調はハイカラさんが通るの「紅緒さん(華ちゃん)」を想起させてくれました。

花組の血を引く娘役ですね!今後も注目したいです。

 

『銀ちゃんの恋』は水美舞斗の代表作に!

『銀ちゃんの恋』のレビューについてまとめました。

まだまだたくさん語りたいですが、これくらいにまとめさせて頂きました。

宝塚版の銀ちゃんの恋は、特にセットにもこだわりが出ていた点も忘れてはいけません。

マイティーが朋子とデートしている時に持っていた紙袋には「Mighty」の文字。

みんなで焼き肉を食べていた時にとっておきの骨付き肉(クールビーストの小道具)を準備していたこと。

ヤスにプレゼントしたジャケットやニーハイブーツが明らかにタカラジェンヌ仕様

などなど、涙あり、笑いありでとても楽しめる舞台でした。あっという間の2時間40分でした。

 

 

最後にまとめです。

『銀ちゃんの恋』はマイティーの得意なダンスが中心な舞台ではなかったこと。

そしてまた、タカラヅカ的な「可憐さ・奇麗さ・豪勢さ」などなく、主役キャストの3人をはじめ舞台の役者総出で演出する『人間くささ・人情・義理』が表現された大作だったと思います。

マイティーの役者の引き出しの多さや大きさを感じるとともに、つかさも上手にヤスの心情を表現していたことや、期待の新星として美咲ちゃんの今後も外せないことが収穫でした!

水美舞斗
STA(S太)
以上、S太でした。 ご興味頂けましたら、サイトのブックマーク・ツイッターの登録をお待ちしています!

 

 

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S太
"昨日の自分を超える"をモットーに脱社畜系男子を目指している九州男児。 宝塚歌劇団、花組『青い薔薇の精』を観劇し、月組『アイアムフロムオーストラリア』、花組『ダンスオリンピア』を生観劇。 宝塚に魅せられ、多くの人にその魅力を伝えたくブログの執筆も始めました!
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